●CIA対北朝鮮活動の背景に521軍事情報大隊の動きも

 産経新聞電子版(2017.7.27)によれば、<米中央情報局(CIA)のポンペオ長官は26日付の米紙ワシントン・タイムズとのインタビューで、北朝鮮の非核化を外交的手段で実現させることが困難であると判断された場合に備え、トランプ大統領に対して「(北朝鮮に対する)秘密工作や(国防総省の)戦友の支援などの情報作戦を提示する準備を進めている」と明らかにした>

 このCIA長官の対NK謀略工作の具体策の一つは、本誌127号で詳しく触れた、本年10月から始まる(表向きにはそう発表されているが…)在韓米軍の521軍事情報大隊の人的情報活動にある。

 

●いつまで「存在しない文書」は生み出されるのか?

 稲田防衛相の辞任にまで発展した、自衛隊の日報問題だが、その根底にある、日本の国防が抱えている問題は『個人の資質の問題ではなく、もっと構造的な歪みだ』として内局の自衛官軽視の体質を指摘する声がある。

<内局の自衛官軽視。日本の歪んだシビリアンコントロールを問う。(BEST TIMES) - Yahoo!ニュース>
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20170802-00006377-besttimes-pol&p=1

 実は、森本、加計そして日報問題と、マスコミ・野党連合が決定的な一撃に欠けた、だらだらとした消耗戦のような政府批判を繰り広げている時に、ある裁判が行われていた。
 これは2015年9月2日、参院安保法制特別委員会で、共産党の共産党の仁比聡平議員が、河野克俊統合幕僚長が訪米時に米国防総省の要人と会談した文書の全文を提示、統幕議長が米国の要人に対し、安保法制の成立などを話したのは制服の文民統制逸脱と非難したことから、防衛省がその文書の存在を否定する一方で、文書流出の犯人探しをはじめたことがきっかけとなっている。

 <国会で暴露後に違法捜査、自衛官が国提訴 国側、棄却求める/地裁>
http://www.saitama-np.co.jp/news/2017/05/27/02_.html

 防衛省統合幕僚長と米軍幹部の会談記録とみられる資料が国会で暴露された後、文書を流出したという身に覚えのない嫌疑をかけられ、中央警務隊による違法な取り調べを受けるなど精神的苦痛を受けたとして、防衛省情報本部の3等陸佐大貫修平さん(42)が国に慰謝料500万円を求めた訴訟の第1回口頭弁論が26日、さいたま地裁(針塚遵裁判長)で開かれた。国側は請求棄却を求めた。

 この日の意見陳述で大貫さんは、中央警務隊による取り調べや家宅捜索を振り返り、「自白強要されたり、屈辱的な配置換えをされた」などと説明。会談記録は首相や防衛相が国会で存在を否定していたとして、「存在しないはずの文書の流出をなぜ捜査できるのか。私には全く身に覚えがなく、違法捜査は断じて許せない」と訴えた。
(埼玉新聞電子版 2017年5月26日)

 ここでも「存在しないはずの文書」の矛盾が、歪みを生み出している。

 そして、この問題の背景にも「内局」と「制服」との「情報」に対する認識の違いがある。
 そもそもこのような対立が発生するのは、自衛隊が実質的には軍隊でありながら「『軍法』がない」という究極の歪み故の結果であるから、そこを正さない限り、文書の扱いなどの初歩的な規範にすら、「軍隊としての正しい情報理論」が適用されることはない。
 自衛隊はいつまで、存在しない文書を生み出しつづけるのだろうか?
 こんなつまらないことに消耗させられて、組織が正しく機能するとは思われない。
 この「歪み」を抱えたまま、日本は半島の危機を目前にしている。