情報と調査129号

<朝鮮半島政経レポート>

北朝鮮情勢-米朝睨み合いの行方

楽観的過ぎる日本マスコミの論調

末野由広

 

 世界がこれまで見たことのない無いような炎と怒りに直面することになるだろう-北朝鮮の度重なるミサイル発射や挑発を受け、トランプ大統領は8月8日、ツイッター上でこう明言した。
  北朝鮮は今年に入ってからだけで既に、ミサイル発射を13回(合計22発)実施している(8月24日本稿執筆時点)。特に注目されるのが直近の3回の発射実験である。それぞれ、弾道ミサイルは通常軌道ではなく、ロフテッド軌道-通常よりも大きな角度で高高度へ向け打ち上げられた。

 北朝鮮は一連の打ち上げにより、大気圏再突入の際の弾頭の対振動性や対熱性、対加速性など、大陸間弾道ミサイル(ICBM)の実戦配備には欠かせない実験データを積み重ねたと目される。早ければ来年にも実戦配備が実現するとの予測もある。ただし、実戦配備に向けては、やはり未だいくつか越えなければならない技術的問題が存在するため、今後複数回にわたりミサイル発射を継続することになろう。例えば………

 

<情報と対情報>

文世光、光州事件、タブレット

日本の学生運動、韓国の民主化運動と北朝鮮をつなぐ点と線

 

 最近、韓国で光州事件を題材にした『タクシー運転手』という映画がヒットし、光州事件の評価をめぐる論争が起きているという。ジャーナリストの崔碩栄氏がWEDGEというインターネットサイトでレポートをしている。(URL http://wedge.ismedia.jp/articles/-/10624)

 このニュースと、日本で以前発行されたある出版物の記憶が筆者の中で重なった。
 
『突破者』という自伝で世に出た作家の宮崎学氏は、グリコ森永事件の犯人と目されたといった過去や、暴力団対策法に反対し、やくざ側に立った論陣を張る活動などで名を知られている。

 その宮﨑氏だが、早稲田大学の学生時代には日本共産党民青の活動家であり、日共が隠蔽した民青のゲバ部隊「あかつき行動隊」の隊長として、新左翼との暴力沙汰の前線に立っていた。

 日共は、新左翼を「暴力学生」と罵倒していた。だが、当時の評価を聞くと、最も強い暴力学生は、日共のあかつき部隊だった。一方で批判しながら、実は裏で自らがその批判する行為をやっているというのは日共らしい話だが、ひた隠しにされた部隊の隊長が自ら率直にその存在を書いたのは、内部からの証言として重要な事だった。

『突破者』にはいくつか興味深いエピソードが登場するが、その中でも、宮崎氏が仲間に誘っていた在日朝鮮人学生の話は悲痛でありながらも印象深い。

 彼は真面目で優秀な学生であったが、ある時、こつ然と下宿から姿を消してしまった。無人となった下宿の部屋で、彼の母親が畳をかきむしって慟哭する場面は胸を打つ。

 後の著書『突破者それから』のあとがきで、宮崎氏はその青年が、後年、韓国の光州事件の中にいたと聞いたと書いている。あの在日朝鮮人学生は、北朝鮮の勧誘を受けて向こうに渡り、おそらく工作員教育を受けて韓国に潜入していたのである。………


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