ベトナムで日本流ヘア・ファッションの先駆け目指す ―ホアン・ティ・チャ・ジャンさん...
 コロナによって、この一年で様々な物事が変わった。未だ国内外を自由に行き来することもままならず、観光や飲食といった産業が非常に大きな打撃を受けつづけている。いずれこれは経済全般に大きなダメージとして広がっていくだろう。  この社会に住む多くの在日外国人も同様に、コロナ禍で大きな変容を迫られており、その動きは依然として流動的でもある。...
 今年(2017年)1月号の本誌で「ベトナム人留学生はミゼラブルか」という拙稿を書いた。このなかで、ベトナム人留学生で新聞配達をしながら、進学を目指している、トラン・ティ・ホアイ・フーンさんを紹介した。彼女が日本語検定N1や大学進学を目指していること、この受験勉強をアルバイト先の新聞販売店主(所長)らが応援していることも。  この拙稿には望外の反響をいただいた。なかにはフーンさんはN1に合格したのか、大学進学は結局どうなった、彼女を応援した「日本のお父さん」はどんな人か、といった質問もあった。  はて、どうしたものかと迷っていたら、当の本人が5月12日付の朝日新聞「声」の欄に再び投稿した。題して「私の恩人は“日本のお父さん”」。
ホアイ・フーンさん 
少子化が進むなか、今や日本語学校は言うに及ばず、専門学校から大学に至るまで、中国やベトナム、ネパールなどからの留学生が急増している。一方、コンビニ、飲食店、新聞配達さらには物流センターなどの現場では、慢性的な人手不足が続いており、この多くを外国人留学生が担っていることも、今や周知の事実である。学校の定員不足をカバーしつつ、人手不足を埋めるという、いわば一石二鳥の存在として、今や欠くことができなくなりつつある。